欧州の大寒波
しばし報道されているように、今欧州には大寒波が襲っている。
ハイデルベルクでも、日中でマイナス6-10度の日々が続いていおり、これには北海道人のはずの俺でもかなり堪える。家ではメインのバスルームの冷水が凍って使えなくなり、ゲストルームでシャワーを浴びざるを得なくなっている。聞くと大家さんの家でも一部凍結被害は出ているようだが、町では全般に何も支障なく日常が行われているようである。
北海道は雪も多く寒いと思われがちであるが、生まれ育った小樽ではマイナス10度になる日は数えるほどしかなく、それも夜間が中心であった。マイナス10度の夜に外出すると路面の雪がさらさらしていて、歩いても足跡もあまりつかず、まるでザラメのようにこぼれる。踏みしめるときのキュッキュッという音が快感であったのを覚えている。
それに比べ今年の欧州中部の寒波は、毎日が青空快晴で乾燥しており、雪は全くないし、霜も畑など以外ではあまり見かけない。天気がいいのに、とにかくただひたすら寒いのだ。
先週出張していたポーランドでは毎日さらに寒く、通勤の車の温度計はいつもマイナス12度~13度であった。車のエンジンがかかるのに時間はかかるし、後ろのトランクは凍り付いてなかなか開かない。
しかし、冬にマイナス20度になることに慣れているポーランドでは、報道によれば一部死者なども出ているとは言え、全般的にはこのくらいの寒波には万全の備えができている。あまり暖房設備らしきものは見当たらないのに、オフィスも工場内も非常にポカポカしている。トラックなどで移送中の製品が凍りつかないような措置も、きちんと取られている。
ポーランドでは、オフィスは18度、作業場は14度以上に保たなくてはならないという法律があり、これに違反すると会社に多額の罰金が科せられる。罰金を恐れて冬に会社を閉めているところが見当たらないというのは、それに対する備えがちゃんとできているということであろう。
備えあれば憂いなし。その意味で可哀想なのは南欧である。イタリア、ギリシャ、トルコなどで大雪になっているようだが、暖房や除雪など冬の備えのない場所で大雪が降れば、大混乱になることは避けられないからだ。
メキシコ湾の石油流出事故や温暖化で北極の氷が溶け出していることから、メキシコ湾流が弱まって欧州が寒冷化しているようであるが、温暖化の究極は寒冷化だという説の正しさが身にしみてわかるような気がする。
それにしても寒いよ~
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