スイスの食を語る
スイスについては何度かブログに書いてきたが、食を中心に語るのは初めてだと思う。
今回はルツェルンに往復計2泊という短い滞在だったけれど、なかなか面白い体験をした。
往路に寄ったホテルは中央駅の近くにあるシティーホテル。可もなく不可もないという感じであり、歩いて行けるカレルの橋などの観光名所をブラブラ。
この町は湖のほとりにあるが、スイス第4の都市にしては水も澄んでおり、白鳥がのんびりとたわむれ、対岸の折り重なる山には緑が映える。なかなか美しい町だ。
大半の店が午後4時に閉まる中、中国人観光客向けに開けている時計店だけが活況を呈ししている・・・
帰路に寄ったホテルはHotel Balm Meggen。ルツェルン市内から車で20分ほど離れた場所にあり、周りは緑がいっぱい! 若干距離はあるが、湖を見下ろせる場所にある。俺たちはやっぱり街中よりも、こういう場所の方が落ち着ける。
ホテルの部屋も広々して、スイスの割には高くない(一部屋 18,000円くらい)だが、お目当ては部屋ではない。
実は、ここのホテルと併設されているレストランは、スイスのレストラン数の1%だけをカバーしているギルドクラブ(Gildeclub)にも加入している、創作系の有名レストランなのだ。とにかく気鋭のシェフらしい :-)
スイスで本格グルメは初めてなので、Aちゃんと二人とも興味津々。せっかくだからコース料理(スープ抜き)をオーダーしてみた。結果は・・・大満足!
まずはキッチンからの”お通し”。サーモンと白身魚のオードブルだが、プリプリでかつデリケートな味。
ついでアントレは、超薄切りタコのマリネと付け合せ。なんと上品なお味なこと~
メインは、Aちゃんは牛のフィレ、俺はサーモンを頼んでみた。フィレも柔らかくて美味であったが、絶品だったのは照り焼きサーモン。
もちろんスイスでサーモンが取れるわけではないので冷凍物のはずだが、それでもここまで味を引き出せるとは素晴らしい。スイスではまだ季節の野菜であるグリーンアスパラと小さな餃子風ラビオリ、それにホタテをクリームソースでしっかりまとめている。
デザートののチーズ盛り合わせもそれぞれ個性的でよかったし、ベリーのプリンもとろけるような味がたまらない~
二人とも大満足だったのだが、最後にちょっと余談を・・・
翌日、チューリッヒ郊外(ちなみに、かなり遠い)のスイスの鍋メーカーであるKuhn Rikonの工場併設の直販店に行った帰り、イチゴ狩りの看板を見たので、ちょっと行ってみた。
見かけはドイツと同じであり、広大なイチゴ畑で自由にイチゴ狩りをしてもいい・・・・のかと思いきや、全然違う!
「容器を2つ渡しますので、一方には食べられるイチゴを、もう一方には腐ったイチゴを入れてください。」
「・・・・???」
「初めてなら、畑に案内係の女性がいるので、指示に従ってください。」
意味がわからないまま容器を持って畑に入っていくと、係りの人曰く、
「あなたはこの畝の担当です。ここに白い棒があるから、そこから順番に進んでください。」
どうもここでは、畑を自由に歩いて採ることができず、場所を指定されるということはわかったが、驚きはそれだけではなかった。いくつか摘んだところで、おばさんに注意された。「お客さん、まだあなたのラインに摘み残しがあるじゃないですか? ちゃんとこういう風に草分けして、赤くなっている食べられるイチゴや腐っているイチゴがないか、丁寧に確認しなくてはいけませんよ。きちんと順番に進めてください。」
監視員つきの労働・・・ おいおい、これじゃあ、農作業をしている労働者のような扱いだと思って、苦笑してしまった。でもお金をもらうのではなく、収穫量に対して逆に払わなくてはならない(スイスだから、安くない)。
でも周りを見ると、他の地元のお客と思われる多くの大人や子供がもくもくと”作業”に従事している・・・
考えてみれば、小国スイスがこれまで独立を保ち経済的にも繁栄できたのは、こういう連帯感があるからかもしれない。でも、ちょっと気軽に立ち寄ってエンジョイしようとすると、結構窮屈な思いをさせられてしまう。
ちなみにスイスのこの品種はとても甘く、あまり酸味がないので、俺とAちゃんはやはりドイツのイチゴの方が性に合うなあ (oー_ーo)
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