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欧州の地政学的変化

ギリシャ金融危機をより”広く”考えると、今日の欧州の地政学(ジェオ・ポリティクス)的な大きな変化が見えてくる。

ギリシャ危機で実際に何が起こっているのか? という疑問に関する回答は簡単。”送金”である。

ユーロ圏各国の財務省からフランクフルトの欧州中央銀行へ、そこからギリシャ財務省へ、そして債権者へとカネが流れている。それぞれの送金明細も探せばちゃんとあるらしく、経緯を事細かに道している記事も出ている

そして、この”送金”は既に何度も行われいる。このまま行けば、ギリシャ国債の債権者が全て欧州中央銀行になってしまうまで、まだまだ続くものと思われる。

”カネの出所”の大半はユーロ圏の大国であり、国民の税金ないしそれを担保に市場で調達しているカネだ。

格付や債務調達金利の推移からみて危ないと言われている、ポルトガル・スペイン・イタリアがギリシャ並に落ち込めば、また同様の”送金”が行われるのだろう。

台所の苦しい政府による、公務員賃金や補助金カットなどに反対する大規模デモは、ギリシャだけではなくスペインなどでも起きている。こうなったのは自分たちのせいじゃないと信じているからだ。

ドイツなど”カネの出し手”側の国民感情もかなり悪化している

単一通貨ユーロに対する信任が内部から揺らいでいる今、ユーロの貨幣価値自体も下がってきている。

一方で、EU新規加盟国の”東欧”であるポーランドやチェコは、購買力では西欧とまだ大きく差がありながらも、”プロジェクト欧州”への政府・国民の信頼は格段に高まってきている。ポーランドでは国民の83%が欧州シンパである。

6月には、ポーランドの大統領がベルリンのフンボルト大学で自身に満ちた講演を行い、欧州疲れしたドイツ人に「欧州思想の基礎」をレクチャーするという、面白い現象すら起きている。

EUでは複雑な補助金制度があるが、要は、貧しい地域・国を豊かな国が援助するという構図である。

5年位前までは、(農業分野以外では)資金の受け取り先はポーランドを中心とする東欧であり、だから東欧のEU加盟は失敗だったという論調も多かった。

しかし今では、経済同盟EUではなく通貨同盟ユーロという主体の違いこそあれ、豊かな西欧中心部からのカネの流れは明らかに東西ではなく南北であり、各国民の感情形成も南北のラインがより重要になってきている。

一方、東欧は着実に力をつけて欧州経済へ完全に組み込まれてきている。これまで欧州で二級市民扱いされてきた国民も自信がついてきており、東欧で物流や製造の欧州統括機能を司る会社も多く出てきている。

ベルリンの壁が崩壊して22年。40年間の冷戦による東西分断が払拭されるのに半分の期間しか要しなかったと解釈すれば、時の流れが如何に加速しているかということだろう。

世界で吹き荒れる金融危機が、実態経済のみならず「国民心理の地政学」にどういう影響を与えるのか? これからも注目していきたい。

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