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加速する時間

プライベート生活も会社のプロジェクトも金融危機も、なんだか何もかもが全力疾走しているような日々である。

長女誕生からは、あっという間にもう7週間も経過してしまった。すくすく元気に育っており、体重も生まれたときから50%(!)以上も増えた。

俺たちも新しい生活に慣れるまでなんだかいつもバタバタしていたので、生まれたのがまるで昨日のこととのように感じられる。まあ、”新しい生活”への順応が一番大変なのは長女なんだけどね。なんたって生まれるまでは、肺呼吸すらしていなかったのだから 笑

夜に泣いておむつを替えミルクをあげるのも、当初毎晩2回だったのが1回になってきており、夜の睡眠時間が少しずつ増えているので、いい傾向だ。肉体的には本来つらいはずなのだが、娘のかわいさと娘から親がもらうエナジーというのはやはり大きいようであり、逆に日々の生活にメリハリがついて、不思議なことにあまり疲れがたまらない

ところで、会社のプロジェクトと金融危機というのは、一見関連がないようで、実は奥深くでは関係している気がする。

プロジェクトが今忙しいのは、元々スケジュールが決まっていてそれに従って準備してきたからであり、どの時期が多忙であるかは予めわかっていたわけだ。一方、金融危機にスケジュールなどあろうはずもなく、今後どうなるかは誰にもわからない。

ただこの異常な状況では、日々の業務がどんなに忙しくても、金融市場の動向チェックには一定の時間とエネルギーを割かざるを得ない。会社も個人生活も、近い将来大きく変貌する可能性があるからだ。

だからネットの記事だけではなく、Die Zeitなどのしっかりした週間新聞を読んだり、本を購入して読むこともやっている。欧州内出張の時には、ロビーにある新聞複数紙をつかんで、わずか1時間半の飛行時間に目を皿のようにして読んでいる。

しかし今回はギリシャなど単発の問題ではなく、欧州レベル、米国、中国、日本などグローバルな問題で錯綜した問題であり、様々なかく乱や情報操作もあるので、”本当の状況”の把握は容易ではない。真実が通常メディアではなく、小説やネットにしかないこともある。また、情報源はどれも地理的・内容的・時間的な意味で断片的であるから、それをパッチワークのように繋げていく作業は各人でやるしかない。

それでも、複数の情報筋を日々追っていくことで、世の中の動きでなんとなく見えてくるものがある。

会社がひとつの難関(=山)を乗り越えたときには、誰もが大きな山だと思っていても、後で本格的な金融危機が襲ってきたときには、「あのときの苦労はかわいいものだった」と思うのだろう。

そのための「訓練」が今なのだと考えて、なるべく頭も体もフル回転させて、まずは目の前のプロジェクトをしっかり完遂できるように頑張っている。

明日がどうなるかもわからない、今の時代。とにかく1日1日を大切に生きようと思う。

ドイツで出産する(3): 病院出産

ハイデルベルクの病院出産で不安なことは、「部屋(ベット)が事前に確保されていない」ことである。

日本や台湾では出産予定の数ヶ月前に生む病院を決めて”予約”することができるようだが、ハイデルベルクの病院は予約を受け付けないのだ。

・・・ということは、産気づいて病院に駆けつけても入院できないということがあるのか!? というと、それはめったに起きないらしい。病院はなかなか賑わっているが、全室が一杯になることはないのだろう。

うちらは午前3時に駆けつけて入院したのだけど、その場で手続をして、「ファミリー・ルーム」に案内された。ドイツの病院では差額料金を払えば、家族も寝泊りできるツインベットの個室に入ることができる(個人保険があれば差額は一日わずか5000円程度)。

たまたまそこが空いていたらしいということで案内された”スイート・ファミリー・ルーム”は20畳くらいもあって非常に広々としており、シャワーやトイレもついていた。その辺のホテルよりもずっと快適だ 笑 

今回はAちゃんのお母さんとお姉さんも応援に来てくれていたので、俺は病院に一緒に寝泊りし、毎朝晩車で家まで2人を送り迎えするという生活を、1週間続けたのであった。

この病院は食事もよかった。ドイツだから夕食はやっぱりコールド・ミールだけれども、昼食の肉やポテト、スープはなかなかおいしい。ベルリンの病院食に比べるとずっといい。

毎日2人分無料で運ばれてくるが、お母さんとお姉さんがお粥や鳥スープなど台湾料理を作ってきてくれることもある。また、昼間は近くに売店がないので、持ち帰りのタイ料理やハンバーガーなどを毎日車で買いに行った。

入院できたということで、まずはひと安心! しかし、ここは実際はホテルじゃない・・・ 部屋には、医者・看護婦さん・助産婦さんが次々とやってくるし、出産までは2時間おきにエコグラフィーを取るため診察室に行かなくてはならないので、なかなか忙しい。

この病院では、36週目以降出産するまで脚の針治療をしてくれる。妊婦さんは脚に負担がかかりむくんでしまうので、20分くらい針を刺すだけでもだいぶ楽になるようだ。

病院ではいろいろな人にお世話になったわけだけれども、誰もが誇りと自覚と責任を持って仕事をしていることが伝わってくる。辛抱強く、かつ、笑顔を絶やさない。産婦人科勤務という、肉体的にも精神的にも大変な仕事だ。本当に頭が下がる。

助産婦は時間帯により3交代で勤務しているので、入院中は計6-7人くらいにお世話になった。ほとんどの人が英語を話せるけれど、たまたまAちゃんが出産した早朝に夜勤だった助産婦さんは英語皆無だったから、とても冷静になれる状況じゃない中、アテンドしていた俺が頑張って通訳した。その間に担当医(女性)が電話一本で駆けつけてきてくれて、ちゃんと間に合った!

赤ちゃんが生まれてからは、小児科医(通常は自分のクリニック勤務)が数日おきにやってきて検査してくれる。ドイツでは遺伝病などの検査が生後3日以内に義務付けられており、赤ちゃんの足の裏から血液を採取して検査センターに送る。

生まれた赤ちゃんは、車輪と木製の囲いがついた移動式のベットに寝かせ、夜は自分のベッドの近くに寄せたりすることができる。検査や食事などで部屋から連れ出すときは、移動式ベットを押しながらとなる。

観察すると、赤ちゃんベット押しているのはほとんどお父さんであり、その顔は喜びに満ち溢れている。えっ、俺の場合ははどうだったかって!? それは、言うまでもないなあ~ 笑

こうして出産後5日目で無事に退院し、なつかしの我が家へ戻ったのであった。

また機会があれば、新米パパ・ママの新生活のことに触れてみたい。

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