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ドイツは経済危機なのか!?

欧州の通貨危機が日ごとに緊迫感を増す中、利益目標に全然到達できなかった会社のリストラが急激に増加している。

アジアでは自然災害、欧州では経済危機、アメリカでは両方が同時に襲ってきているご時勢であるが、よくぞこれだけ躍動感ある時代に生を受けたものだ。

欧州のリストラに話を戻そう。野村(欧州部門)やクレディスイスなどの金融系大手の4ケタ台の人員削減が大きく報道されているが、もともとボラティリティーの高い金融業界のリストラは何も目新しいことではない。むしろトレンドとして注目すべきなのは産業系のリストラである。

興味深いのは、ユーロ圏金融ワールドでこれだけ信用伸縮が続いているというのに、実体経済への影響はまだまだ軽微であり、むしろ今から本格化するということだ。もちろん地域により差は大きい。GDPが対前年比10%以上下がっているギリシャを筆頭に、買掛金回収が実際に遅れてきているスペインなどは「進んでいる」。

これに対しドイツでは、表面的に見ると状況は危機どころか改善し続けているようにさえ見える。ハイデルベルクのあるバーデン・ヴュルテンベルク州の失業率は史上最低の3%台水準であり、季節修正済の雇用データは10月でさえも改善を続けているのだ。

社会の雰囲気は平穏そのもの。車の販売数も増えており、VW PassatA4などのビジネス車の標準モデルで新車の納期待ちが4-5ヶ月となっており、Europcarなどレンタカー大手もドイツ市場だけのために数千大規模で新車を購入している。

Occupy Wallstreetを真似てフランクフルトやベルリンでデモをしている若者でさえも、暴動など全くなく、あまりの品行のよさに、デモ行進で通る街道に面した商店主が「おかげで売上が増えた」と喜んでいるほどである。

しかし、経済危機はドイツでも周回遅れながら確実に始まっている。そして、始まったばかりながら進行はウイルスのように実にすばやく浸透しているように感じる。その最大の証拠は、中~大会社の利益幅が急激に薄くなってきており、耐え切れない企業がリストラに踏み切っていることだ。そして、雇用の受け皿になる“成長企業”はほとんど出てこない。

失業者数は今後増加するだろうが、もともとの経済基盤が強く失業率も低水準なので、今後しばらくは社会的に持ちこたえられるものと思われる

ドイツのリストラの今については、次回もう少し詳しく触れてみようと思う。

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