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赤ちゃんと飛行機に乗る

新年、あけましておめでとうございます!

クリスマスから新年までを家族で台北で過ごした。うちの娘にとっては初めての飛行機、そして初めての台湾渡航である。Aちゃんと娘はあと1ヵ月半程度台湾で過ごす予定でまた迎えに行く予定なので、俺はとりあえず一人でドイツへ戻ってきたというわけだ。

赤ちゃんを連れて旅行するというのはもともと結構大変なことであるが、飛行機に乗せて移動するとなるとさらにグレードはアップする

衣服類はもちろん、どの哺乳瓶を持っていくのか、おもちゃ・タオル・おむつなど、とにかく荷物が多い。今回は荷物をまとめるだけで2日間もかかってしまった。自分たちと赤ちゃん分を含めて70キロ以内の荷物重量(ベビーカーの重量はカウントされない)に抑えることも、容易ではない。

悩んだのはベビーカーだ。台湾では日本と同じく、片手で畳めるような小型のベビーカーが一般的であるが、うちにはそのようなベビーカーはない。また、小型ベビーカーは安定性が悪くて転倒のリスクがあり、赤ちゃんがフラットに寝ることもできない

そこで車輪の直径が30センチもあるかなり大型のベビーカーを持参した。車輪を外さないと車にも積めないような大きさ(!)であるが、まるで戦艦のように頑丈で、買い物しても荷物をたくさん積み込める。

あまりにすごい量の荷物なので車に全部積み込めるか心配であったが、30分奮闘の上でなんとか完了し、いざ出発!

赤ちゃんは機内で自分の座席はない。しかし搭乗は有料であり、フランクフルト⇒台北往復で350ユーロ(=35,000円)かかる。座席こそないのだが、赤ちゃん用のカゴを壁に設置してもらうことは可能である。しかし生後4ヶ月半のうちの娘でも結構手狭であったから、台湾からの復路を最後にもう使えることはないだろう。

機内では思いのほかご機嫌で、あやすと良く笑い、大声で泣くことは数回しかなかった(さすがに着陸前の揺れと気圧変化では泣いたが)。しかしカゴは狭いので、長くいるとご機嫌が悪くなる。結局大半の時間はAちゃんの膝の上で過ごしたと思う。ちなみに機内の狭いトイレでオムツを替えるのは、もっぱらパパの役割 :-)

空港に着くとAちゃんのお姉さんが“大型車”で迎えに来てくれていた。荷物を積み込み、45分走って無事お姉さん宅に到着!

赤ちゃんと一緒の旅はいろいろと大変だが、移動自体がチャレンジングなだけにその工程を楽しめるという点でただの移動と異なり、また途中赤ちゃんのくったくない笑顔に癒され、なかなか楽しく充実感がある

次回は台北での赤ちゃんとの生活について書いてみたい。

スイスの食を語る

スイスについては何度かブログに書いてきたが、食を中心に語るのは初めてだと思う。

今回はルツェルンに往復計2泊という短い滞在だったけれど、なかなか面白い体験をした。

Swissd3Swissd4Swissc1往路に寄ったホテルは中央駅の近くにあるシティーホテル。可もなく不可もないという感じであり、歩いて行けるカレルの橋などの観光名所をブラブラ

Swissd1この町は湖のほとりにあるが、スイス第4の都市にしては水も澄んでおり、白鳥がのんびりとたわむれ、対岸の折り重なる山には緑が映える。なかなか美しい町だ。

大半の店が午後4時に閉まる中、中国人観光客向けに開けている時計店だけが活況を呈ししている・・・

Swiss_03_3帰路に寄ったホテルはHotel Balm Meggen。ルツェルン市内から車で20分ほど離れた場所にあり、周りは緑がいっぱい! 若干距離はあるが、湖を見下ろせる場所にある。俺たちはやっぱり街中よりも、こういう場所の方が落ち着ける。

ホテルの部屋も広々して、スイスの割には高くない(一部屋 18,000円くらい)だが、お目当ては部屋ではない。

実は、ここのホテルと併設されているレストランは、スイスのレストラン数の1%だけをカバーしているギルドクラブ(Gildeclub)にも加入している、創作系の有名レストランなのだ。とにかく気鋭のシェフらしい :-)

スイスで本格グルメは初めてなので、Aちゃんと二人とも興味津々。せっかくだからコース料理(スープ抜き)をオーダーしてみた。結果は・・・大満足

Swiss_06まずはキッチンからの”お通し”。サーモンと白身魚のオードブルだが、プリプリでかつデリケートな味。

Swiss_08ついでアントレは、超薄切りタコのマリネと付け合せ。なんと上品なお味なこと~

Swiss_10Swiss_09メインは、Aちゃんは牛のフィレ、俺はサーモンを頼んでみた。フィレも柔らかくて美味であったが、絶品だったのは照り焼きサーモン

もちろんスイスでサーモンが取れるわけではないので冷凍物のはずだが、それでもここまで味を引き出せるとは素晴らしい。スイスではまだ季節の野菜であるグリーンアスパラと小さな餃子風ラビオリ、それにホタテをクリームソースでしっかりまとめている

Swissa1Swissa2Swissa3デザートののチーズ盛り合わせもそれぞれ個性的でよかったし、ベリーのプリンもとろけるような味がたまらない~

二人とも大満足だったのだが、最後にちょっと余談を・・・ 

Swissa5翌日、チューリッヒ郊外(ちなみに、かなり遠い)のスイスの鍋メーカーであるKuhn Rikonの工場併設の直販店に行った帰り、イチゴ狩りの看板を見たので、ちょっと行ってみた。

見かけはドイツと同じであり、広大なイチゴ畑で自由にイチゴ狩りをしてもいい・・・・のかと思いきや、全然違う!

容器を2つ渡しますので、一方には食べられるイチゴを、もう一方には腐ったイチゴを入れてください。」

「・・・・???」

「初めてなら、畑に案内係の女性がいるので、指示に従ってください。」

意味がわからないまま容器を持って畑に入っていくと、係りの人曰く、

あなたはこの畝の担当です。ここに白い棒があるから、そこから順番に進んでください。」

どうもここでは、畑を自由に歩いて採ることができず、場所を指定されるということはわかったが、驚きはそれだけではなかった。いくつか摘んだところで、おばさんに注意された。

お客さん、まだあなたのラインに摘み残しがあるじゃないですか? ちゃんとこういう風に草分けして、赤くなっている食べられるイチゴや腐っているイチゴがないか、丁寧に確認しなくてはいけませんよ。きちんと順番に進めてください。」

監視員つきの労働・・・ おいおい、これじゃあ、農作業をしている労働者のような扱いだと思って、苦笑してしまった。でもお金をもらうのではなく、収穫量に対して逆に払わなくてはならない(スイスだから、安くない)。

Swissa8でも周りを見ると、他の地元のお客と思われる多くの大人や子供がもくもくと”作業”に従事している・・・

考えてみれば、小国スイスがこれまで独立を保ち経済的にも繁栄できたのは、こういう連帯感があるからかもしれない。でも、ちょっと気軽に立ち寄ってエンジョイしようとすると、結構窮屈な思いをさせられてしまう

Swissa7ちなみにスイスのこの品種はとても甘く、あまり酸味がないので、俺とAちゃんはやはりドイツのイチゴの方が性に合うなあ (oー_ーo)

不思議の国スイスの食事情発見の旅は、今後も続けていきたいと思っている。

コモ湖でバカンス~湖と食事編

R0019696コモ湖で次に2泊したホテルは、対岸のLezzenoという場所にある民宿のような場所。

R0019629R0019663前日泊まっていた対岸のホテルも見える位置にある。

R0019619R0019618R0019674部屋は湖に面している、というよりも、すぐ下がそのまま湖だ。バルコニーの大きなガラスドアを全開にすると、ベットにいながらさざ波の音色が楽しめるので、とってもリラックスできる (^v^)

R0019707R0019704R0019708R0019650ここは町でもないので周りには何もないが、ホテルのレストランはとてもよかった。コモ湖の淡水魚のリゾットや、海鮮ピザ、手作りラビオリなど、どれも旨い!

ハイデルベルクの友人カップルが彼らの旅程を変更して2日間同じホテルに飛び入りジョインしたので、一緒に湖で泳いだり日光浴したりして遊んだよ。

R0019615R0019602湖畔で一番大きな町であるコモ市にも行ってみた。車で30分くらいだが、湖の周りの狭くて曲がりくねった道を走るので、なかなかスリルがある (^^*)

ある日は朝市があるということを聞いたので行ってみたのだが、売っているものは服ばかり・・・ 

イタリア人は服がとても好きで、若者でもおやじでもおばあちゃんでもみなおしゃれにしているのであるが、人口8万人の町に、延々とこれだけ続く服の売り屋台があるのだから、おしゃれに対するみんなの心意気がわかるというもの。決して高いものではなく、中国製などで品質も最高とは言えないけれど、あとは審美眼と着こなしの術なのだろう。

R0019690でも狭い旧市街には、おしゃれな雑貨やキッチン用品の店もちゃんとあり、Aちゃんもじっくりみて何点かお買い上げに!

R0019608R0019609R0019692R0019693コモの町で食べた、前菜のグリル野菜セットや海鮮サラダ(ほとんどが海鮮!)、ボンゴレのスパゲッティーなんかも、さすが本場イタリアの味であった。旅行で食事がおいしいのは、本当に大事だなあと思う。

次回は行きと帰りの両方で泊まった、スイスのルツェルンのグルメについてで~す!

コモ湖でバカンス~高級ホテル編

北イタリアのスイス国境近くのリゾート地であるコモ湖に、現地3泊の短いバカンスに行ってきた。

R0019537ハイデルベルクから車で6時間の距離であるが、余裕を持って途中のスイスのルツェルンに往復計2泊したから、全部で5泊6日の旅だ。

Aちゃんとは「たまには高級なホテルや食事を楽しもう」と話しているのだが、しばらく実行していなかったので、思い切って最初の1泊は500ユーロ(=6万円)の高級ホテルにしてみた。

リゾート地の高級ホテルというものを初めて経験する俺にとって、これはなかなかエキサイティングな経験だった (f^^)

R0019502R0019500R0019507Grand Hotel Tremezzoというこのホテルは110年の歴史があり、湖畔で、コモ湖の先端Bellagioを見渡せる絶景ポイントにある。帝政ロシアの時代から欧州中のお金持ちが宿泊したらしい。

車で到着して湖畔の指定場所に泊めると、ベルボーイが出てきてガレージに入れてくれる。車のキーはホテルに預けなくてはならないので、車から荷物を出すたびにベルボーイのお世話になる。出し忘れたミネラルウオーターのペットボトル1本をトランクから出すために、制服を着たベルボーイが”お車”を出してくれたのには、ちょっと恐縮・・・

R0019525 R0019534ロビーや廊下、待合室にも格式高い調度品がたくさんでありながら、それらが一定の調和を保っている。

R0019463階段の裏でさえ、この通り美しい

R0019421  R0019423R0019424湖の望める部屋はクラシックな青色でまとめられ、天井も高い。小さなバルコニーがあって、湖を眺めながらくつろげる。タオルやバスローブや石鹸なども手触り感覚がなめらかで、中堅ホテルのものとはまるで品質が異なっている。

R0019488 R0019466 R0019490 R0019493とくに気に入ったのはホテル裏側、つまり山側の丘の庭園。ピンクと水色のアジサイを中心に花が咲き乱れ、枯れた花は丁寧に取り除かれていると見え、ひとつも見当たらないのがすごい。

R0019479 R0019478ディナー時間前であったが腹ペコだったので、この庭園内のピツァッテリアに駆け込み、6時の終了時間直前にピザを注文。湖を見下ろすこのロマンチックな席に運ばれてきたサーモンとキノコのピザは、生地がとても薄くてパリパリで、ちょっと酸味が利いて、めっちゃうまい!

   R0019570 R0019562こちらは夜のホテル内バーのカクテル。対岸の夜景を見ながら・・・

R0019585 R0019583  R0019580そして翌朝のビュッフェスタイルの朝食。豪華絢爛

R0019586もちろん湖を眺めながらいただく。

コモ湖の旅は、次回に続きま~す!

短期決戦で台湾へ

欧州はイースターホリデーが明けたところであるが、丸4日間滞在(初日は朝7時着、4日目は夜23時半発)という短期決戦で台湾へ行ってきた。

台湾に3ヶ月いたAちゃんをドイツへ連れて帰ってくるのが”目的”であったのだが、この短い間に台北だけではなく、台中の実家にも新幹線で日帰り訪問したりした。

さらに、わざわざ香港から来てくれた友人カップルを案内したり、この時期にしか台湾で会えない友人に会ったり、家族で食事会をしたり、さらにはドイツに持ち帰るいろんな購入品の免税手続をデパートをはしごしながら行ったり・・・

それでもせっかくだから、ちゃんといいホテルにも2箇所ほど泊まって2時間のスパをエンジョイしたり・・・

と、思い出せばまさに走馬灯のような4日間だったよ。

非常に凝縮されていて楽しかったけれど、時間ギリギリでAちゃんと帰りの飛行機に無事搭乗すると、「ああ、きつかった~」

今回の滞在で気に入ったものを3つだけご紹介!

① Quote Hotel

R0018920Aちゃんが予約してくれて今回初めて泊まった台北のデザインホテル。カラオケ屋さんを大改装して1年ちょっと前にオープンした。

ごちゃごちゃとした大通りに面しているので、外から見るとどこにあるかもわからないくらいだが、一歩中に入るとシックで素晴らしい。

R0018928 R0018911 R0018932 R0018941 部屋は広々していて、バスルームが入口から地続になっているなど斬新なデザイン。自分のiPodを差し込むとすぐに使えるステレオもあり、部屋の飲み物・食べ物はおろか、2Fロビーにある食べ物なども全て無料というのもいい。

R0018915R0018912従業員も親切で、チェックアウトしてタクシーを外で拾おうとしたら、ずっと10分くらも横に立って一緒に待ってくれた

これで朝食つき1部屋2名で16000円程度だから、かなりお得感あり!

② 欣葉101 (Shinyeh)

香港からの友人JさんとX君と一緒に行った、台湾の”高級”郷土料理店。本店には何度も行ったことがあり、そのおいしさにはいつも満足しているが、台湾101の85階に開店したこちらの店は、それを凌ぐ素晴らしさであった。

R0018961R0018963R0018999普段は予約がいつもいっぱいで敷居の高い場所であるが、Aちゃんの友人の友人がこのレストランに勤めていることから、金曜の夜にも関わらずなんとか席をゲット!

R0018985R0018989R0018990赤を中心としてまとめた雰囲気のよさ、台北の夜景の見晴らしさもさることながら、料理の味の絶品さは、もうすごいとしか言いようがない。このチキン、レバー煮、蟹チャーハン・・・ 

R0018993R0018995R0018992そして切干大根オムレツ、豚角煮、ジューシーな大粒牡蠣の卵とじ・・・・

どれもほっぺたが落ちるようなホームラン級ばかりで、全員が感動の嵐。

この立地とクオリティーで、4人でおなかいっぱい食べてお会計が全部でたったの12,000円というのは、なかなか信じられない。絶対お奨め!

③ ナンバープレート

R0019012R0019013これは番外編になるけれど、前回台湾に行ったときに面白発見したものを、今回晴れて証拠写真に収めたもの。

台湾は島であり中国とあまり良い仲ではないなので、欧州と違って自国ナンバー以外の車を見かけることはない。

しかし、欧州のように、ナンバープレートの前に12の星(EUのシンボル)と国の略称(ドイツなら”D”、フランスなら”F”など)を趣味でつけることがおしゃれと思われているのか、台湾ではかなり流行している。

アウディやBMWなどのドイツ車に乗っている人が”星マーク+D”をつけているのをよく見かけるが、日本車に乗っている人が”星マーク+J”をつけているというパターンも時々ある。

もちろん日本は欧州の国ではないから、”星マーク+J”というマークは欧州では実際には存在しないんだけど、台湾人の日本車愛好家は全然気にしていないようだ 笑

もう今年3度目の台湾。次に行くのは、きっと来年初めかな~

ウイーンの子育て事情

先週末は、仲良しの友達夫婦を訪ねて、ほぼ3年ぶりにウイーンで過ごした

どこも壮麗で格調高く美しく、文明の圧倒的な蓄積があり、図抜けてコスモポリタンなこの街は、ドイツ語圏の中では俺もAちゃんも一番住みたいと思っている場所である。

イタリア人とオーストリア人のカップルであるお二人には、1年半前にかわいい女の子Mちゃんが誕生! これまでとびきり活発で社交的だった二人の生活がどういう風に変わったのか、ぜひ知りたいという好奇心旺盛で出かけたのだ (^u^)

短い時間だったけど、ウイーンの子育て環境を垣間見ることができた。

この二人は、Mちゃんの他に、もうすぐナイジェリアから生後3ヶ月のアフリカ人の男の子を養子に迎えるという。だから乳母車も”買い替え時期”に入っており、一人用の乳母車は来週売りに出すとのこと。

まあ彼らは、家、車の中、別荘の中、イタリアの家(奥さんCさんの実家)など、合計5~6台の乳母車を持っているというというから、スケールが違う (;^_^

なだらかな丘陵に囲まれた人口160万人の小首都ウイーンは、仕事・交友・文化イベントを子育てと両立させやすい環境にあると思う。

Pict0052Pict0042市中心部には大きな公園もいくつかあり、おいしいケーキが食べられるカフェも併設されているブルグ公園では天気がよかったこともあり、広大な芝生では大勢の人がくつろいでいた。Cさんたちの子連れの友達とも待ち合わせ。

駐在員や外交官の多いウイーンではVienna Baby's Clubという会があり、妊娠中や赤ちゃんを抱える外国人夫婦が気軽に知り合えるようになっている。毎週活発に活動しており、英語による赤ちゃん救急法レクチャーなども講師を呼んで独自に企画しているというから、頼もしい。

水が大好きなMちゃんは噴水の水を触ろうとして乗り出し・・・

Pict0046気づくと、同じことをやっている子供がたくさんいた 笑

Pict0056夜に”偶然”初めて行った国立オペラ座(Staatsoper)は、ラッキーなめっけものに感動した。

公園に行きがてらCさんにとちらっと立ち寄っただけなのだが、ゲーテの有名な劇ファウストが上演されていて、20ユーロ(!)の席がまだ取れることを知り、その場でチケットをゲット。

Pict0062建物に入るやいなや、まばゆいばかりの金色にかがやく柱と、天井まで描かれた壁画に圧倒される。Cさんいわく、「舞台を見なくても来る価値がある」というのは、まさしく本当だ。

Pict0065Pict0064幕間の休憩時間にカクテルやおつまみをたしなむスペースでさえ、このきらびやかさ!

控えめなドレスやスーツの観客が多い中で、ジーンズ姿の自分が若干気になったが、こんなところに来るなんて知らなかったんだから、まあしょうがない・・・

Pict0068客席はこんな感じ。5人~6人ごとにコンパートメントのような部屋に入って観賞するようになっており、一番前列は100ユーロ以上するが後ろの席は安い。左半分が見えないが、舞台そのものからは非常に近いこともあり、立ち上がって身を乗り出せば迫力ある演技が至近で楽しめるのである。

Pict0074オペラをこれまでに一度しかなく、(ドイツ語圏の学校では必読書の)ファウストも読んだことがない門外漢の俺でもこれはすごいと思う歌声と、ウイーンフィルの奏でる生演奏には、本物のレベルの高さが伺えた。かなり通っている常連のCさんでも、今回の出来は特段に良かったと言って、心から満足そうだった。

ところでこの国立オペラ座、彼らの家から市電で5分の距離にある。

Cさんいわく、上演中にベビーシッターからMちゃんが泣いているというメッセージを受け、休憩時間に家に駆け戻って母乳を与え、オペラ座に舞い戻ってちゃんと続きに間に合ったことがあったという。何気なく話しているけど、これだけのレベルの高い文化イベントと子育てを両立できるのは、この街とこの母親の両方があってのことなのだろう。

家に戻るとMちゃんが下痢をしていたようで、いろいろあって寝付いたのは午前2時頃だったらしい。子育てはいろいろと大変だねえ~

Pict0084  Pict0089 Pict0095翌日はゆっくり起きて朝食を食べ、車で25分くらいの場所にある一面のブドウ畑へ。おいしいワインの産地でもあるらしく、Mちゃんとブドウ畑の中で戯れたり、タンポポを摘んだり、ベビーカーを押して散歩道をのんびり歩いたり、外でゆっくり座って土地の料理を食べたりした。パパとママに愛されているMちゃんのしぐさは、ほんとにかわいい~

25度近くの快晴と絶好の天気だったこともあるが、とっても気持ちがよかった。  

あっという間の”家庭生活”だった、2日間のウイーン。次来るときは彼らは(少なくとも)4人家族になっているのだろう。

また来るね~!

ドイツ人が休暇返上で!?震災貢献

先日、あるドイツ人社員(30代後半男性)が俺の執務室にやってきた。真剣な話があるという。

「日本でショッキングな震災が起きて毎日報道されていて、会社にもダメージが出ていますよね。私にできることは何かといろいろ考えました。そこである提案があるのですが、日本人としてどう思うか、意見を聞かせてほしいのです。」

「うん、どんな提案?」

「私は有給休暇があと10日残っているので、それを自主的に返上したい。」

「…っていうと、残りの休暇を取らずに、出勤するということ?」

「そうです!!! どう思いますか?」

ここまで読んでもどこが社会貢献になっているのか皆目検討がつかない方もいると思うので、ちょっと背景の解説をしよう。

ドイツをはじめ欧州では有給休暇は契約書に謳われた社員の権利だ。だから、経営者や大会社の役員でもない限り、休暇(年間30日間)を使い切らないということは、ありえない

つまり、当然の権利を放棄するということは、その有給日数に相当する現金(有給10日分なら、月給の40%程度)を会社に寄付したことになり、会社がそれを震災復興に使えば、大きな社会貢献になるというわけである。

これには参ったが、こう答えざるを得なかった。

「・・・ううん・・・ 論理はよくわかるんだけど、それは日本人の観点から見ると、どこが貢献になっているのか、全然わかってもらえないと思うよ。だって日本では、有給は”使い切らないのが当然”だし、それを”犠牲”とか、ましてや”財務的貢献”だと考える人はいないから。」

「ああ、そうなんだ。そういう率直な意見を聞きたかったんですよ。じゃあ、次の案はどうですか?」

「うん、どんな案?」

震災の影響がなくなるまで、私の月給を500ユーロ(=6万円)分暫定的に減らしてもらってもいいです

「あの、でも、”震災の影響がなくなるまで”っているけど、それって2年か3年かかるよね。」

「・・・・じゃあ、2年か3年そのままでいいですよ。」

これにはちょっと考えさせられた。

日本でも会社の業績が悪い間、ないし不祥事があった場合、給与や賞与を一定率でカットするような慣行はある。わかるけど、ドイツの事情を知っている俺は、こう答えざるを得なかった。

「なるほどねえ。そこまで考えてくれるのはうれしいけれど、給与を一定期間減らすとか、休暇を返上するとかというと、また契約書を作成しなくてはいけないし、それを給与計算会社に渡して、彼らにフィーを払って再計算してもらって、また戻すときに同じ手間がかかる。費用だけではなく、それに携わる人の事務の手間や彼らの給料を考えると、ちょっと受け入れられないなあ。」

納得のいかない表情をしている彼に、俺はさらにこう畳み掛けた。

「あなたは最近、給料が上がったでしょう。それは、会社があなたを認めて、それだけ期待しているからだよ。給料カットとかそういう後ろ向きの貢献じゃなくて、しっかり給料をもらって、その分、いやそれ以上の、期待以上の貢献をすれば、それが最大の貢献ですよ。」

彼の表情は曇っていた。でも、彼の”思考回路”が把握できた俺は、彼が納得できそうな論理で続けてみた。

「でも、どうしても会社に金銭で貢献したいというなら、これはどう? あなたは来月から社有車をもらえることになっているよね? まだ車の注文をしていないけれど、その注文を2-3ヶ月遅らせて、その間は自分の車を使うっているのはどう? これなら数か月分のリース料を節約したという”貢献”になるし、誰の手間も煩わせないから。」

「その案、いいですね! それで行きましょう!」

彼は満足した様子で戻っていった。

それにしても、ドイツ人は日本人に比べて格段に論理的で、かつ即物主義的だなあと思う。

ドイツ人は、休暇を返上→休暇分を現金換算→その分会社が”節約”→その”節約分”を震災復興に会社が使う(かもしれない) などという4段階ものステップを組み立てて、それが”社会貢献だ”と認識する。

日本人が”休暇返上で社会貢献する”と表現する場合は、自分の休暇中にボランティアでごみ拾いに出かける、などという意味だろう。

ドイツ人の考えは、論理的には確かに金銭的な貢献、つまり具体的な貢献になっているように聞こえる。しかしもっと深く考えると、実はそうとは言えない。4段階もの間に効果が薄くなってしまうからだ。特に致命的なのは最後のステップの、”会社がそれを震災復興に使ってくれるかも”という部分。それは会社次第。つまり、一番重要な最後の実行の部分を、彼はコントロールできないポジションにいる

そこまで間接的なものを”貢献”と呼びたいなら、むしろ単純にたっぷり稼いでたくさん国に税金を払えばいいのに、っと思う。社会保障もNGOへの援助も、基本は税金から出ているからだ。

一方、日本人の社会貢献は、必ずしも金銭的な対価(=自己犠牲)を伴っていない(欧米のいわゆる”ボランティア”とも異なる)。じゃあ、自主的な手伝いや老人介護、さらには祈祷などは”貢献度が低い”のかというと、むしろ逆であり、これほど貢献度が高いことはない。

俺の考えでは、社会貢献というのは被災者など助けを必要とする人からどれだけ心の感謝をされるかが全てであり、その多寡は金銭では測れないと思う。

特に、欧州人が何か災害が起きたときにすぐに走りがちな、ユニセフとか赤十字のような巨大機関の口座になにがしかの金銭を振り込むことは、害はないけれど、たいして真の役にはたたないと思う。こういった巨大国際機関は上層部が腐っているため、下にどれだけいいスタッフがたくさんいても全体として効率的に機能しないし、自分が振り込んだお金が何に使われるのかコントロールできないからだ。援助したつもりにはなれるけど・・・

本当に役に立つ寄付をしたいなら、日本で現地で活動している小規模な団体に直接寄付するのがいいと思う。

とにかく、それだけ日本の震災のことを真剣に考えてくれている社員がドイツにいるのはうれしかったし、心が暖まった。でも、「優しい言葉をかけたり、気遣いのメールを打ったり、犠牲者に祈ったりするだけでも、とっても大事な貢献なんだから、それで十分だよ」という俺の言葉は、残念ながら彼には理解できないようであった。

台湾と日本: どこが違う?

似ているようで似ていない、似ていないようで似ている、台湾と日本。

今回は、印象に残った点をいくつかご紹介!

①病院

これは台湾大学病院。中庭のある赤レンガ造りで、世の中に、これほど美しい病院があるのかと思うほどに素晴らしいが、中で写真を撮っている人は誰もいなかった。

R0017656R0017658R0017662この建物が作られたのは日本統治時代であり、当初から一貫して病院であったが、今でも多くの人に使われている。

R0017659しかし中はケーブルがむき出しだったが・・・これはご愛嬌かな 笑

②早朝の風景

R0017697台湾では夜通しで開いている朝食専門店が多くある。日本にはない文化だ。この「永和」は老舗であり、肉マンやおにぎり(日本のものとはかなり異なり、もち米を使用しそぼろ肉が入っている)、熱い豆乳など、なかなかうまい。

R0017708朝5時に朝ごはんを買って帰り道の写真。高速道路の色や裏のマンションまで、日本にそっくり! 左側の光っている部分は、コンビニのファミリーマート(”全家”)。

右側通行であることと、「餃子館」の看板がなければ、日本にいるかと錯覚するほどだ。

③競争社会

日本では、子供の頃や学校では競争を頑なに否定して過保護にし、個人に成績をつけることすら行わないという極論に走る一方、社会人になると突然に”自由競争”の世界に飛び込まされ、適応できない者は社会から落ちこぼれる。ある意味、とてもエグイ。

台湾では、優秀な子供の成績や名前を学校によく張り出している。昔日本でもそうであったように・・・ 

R0017655それどころか、進学塾の巨大広告では、合格した児童の名前と所属地をデカデカと掲げている。思わず写真を撮ってしまったよ。

④カラオケ

台湾のカラオケ屋さんの数は、人口密度的には東京と同じくらいあると思う。

R0017724カラオケルームは日本よりも一般にゆったりしていて、かなり広々とし内装もきれい

R0017730台湾のカラオケで俺が好きなのは、やっぱり食事。牛肉麺、水餃子、お弁当など、どれも相当に本格的でマジで旨いものが出てくる。そう、台湾人は食いしん坊なのだ!

台湾の10日間はあっという間で、もうドイツに戻ってきてしまったよ。 

また機会があれば紹介しま~す!    

台湾の和食チェーン入門

数日前からAちゃんと台湾に来ていて、連日家族で外食しているが、ひとつ気づいたことがある。それは(地元系ではなく)本土系飲食チェーンの味と品質に関することだ。

日本から遠く離れた欧州での和食レストランは、個人経営がほとんどであり、味や値段もピンキリである。ドイツに限れば値段がバカ高いということはなく割と均一感があるものの、味のグレードはやはりピンキリで、「知っていなければ」おいしい和食にはありつけない。

一方、日本から近く日本文化の浸透具合も格段に高い台湾には、和食レストランは地方都市でも星の数ほどあり、かなり本格的。日本のチェーンも積極的に進出してきており、台北では軒並み日本のチェーン同士の争いが激しい。

去年1月にドイツに赴任して以来、日本には一度も帰国していないが台湾は2度目という俺にとって、台湾に到着すると目が和食を求めてしまうのは本能的なものがある。

しかし、ここは近くても、やはり日本ではない。「本土系」だからといって満足がいく味とは限らない。違いを認識しておいた方がいい。

ロイヤルホスト、モスバーガー、ミスタードーナッツは、もともと純然たる和食ではないが、日本製のブランド。5〜10年ほど前から進出してすっかり台湾に定着している。どこでも見かけるし、味も日本のものにそれなりに近い。

ロイヤルホストは台湾では高級路線であり、単価も日本より高く、「ファミレス」というよりはビジネスマンが多いのが特徴だ。一方、ミスタードーナツは日本と同じかむしろ安い値段で、しかし味はあまり落ちないというお買い得なパターンで、かなり人気がある。

Taiwanf1_2問題なのは、自然と期待値が上がってしまう、本当の和食。

まずは、居酒屋チェーンの和民。2年前くらいに行ったときには、「安くて、日本並みの味とサービス」に感動したものだが、今回行ったらすっかり変わってしまっている!

いらっしゃいませ、こんばんは! という全員の日本語のかけ声がなくなったくらいならいいけれど、調理法がすっかりかわってしまったのには辟易した。揚げ物がことごとく、まるで油条(油で揚げた中華のパン)みたいに厚い皮になってしまっているのだ。

Aちゃんいわく、日系のレストランは最初こそ日本人シェフを送り込んで味付けを覚えさせるものの、しばらくして日本人が引き揚げると、習慣や味はやはり現地化してしまうらしい。仕方のないことだというか、ある意味当然の流れだけれど、日本で育った日本人から見ると物足りない味になってしまうのだ。

その意味で、最近出店してきてチェーン展開を始めた大戸屋は、Aちゃんの話ではまだかなり本場の味に近いらしい。値段も日本以上に高いが、お客さんでいっぱいだ。外からも旨そうで、しかも東京で自宅近く似合ったことからなかなか懐かしいので、今度是非行ってみたいと思っている。

Taiwanf3 Taiwanf4 Taiwanf5まあ台湾では、台湾の名店がなにより満足度が高いことはやはり間違いない。今回も、台北で一番おいしいと思ったのは、いつもながら鼎泰豐(Din Tai Fung)

Taiwanf2それにしても、台湾の教育水準はなかなか高い。Aちゃんのお姉さんの小学2年生の息子は、この案内板全部をすらすら簡単に読んで、「簡単だよ!」と言っていた。もちろん、書くこともできる。

俺でも読めない(=発音がわからない)漢字が1つか2つある、この案内板。

これだけの水準の複雑な漢字を、塾も行かずに公教育だけで読み書きできる小学2年生が、日本にいるとは思えない。

残り少ない台湾での滞在中に、いつものように食べまくろうっと!

また、次の洪水が〜

もう10日前のことだけど、前回のハイデルベルクの洪水からわずか5日後、街は再び洪水になってしまった。

Kozui5前回は雪解け水、今回は単なる大雨が原因だが、前回まだ溶けていなかった雪もあったのだろう。

びっくりしたのは、かなり大規模だったこと。結果として個人的には被害がなかったものの、目の前でこれを体験すると結構震撼させられる。

前日、ラジオでは、

「ハイデルベルク近郊の推移はあと5メートル上昇する予定。川沿いの道路はもうすぐ全面閉鎖されます。旧市街の一部が水につかる予定です。一部の家庭にはサンドバックを配布しています。」

と言っていた。

Kozui4Kozui1こりゃ大変なことになるなあと思っていたら、川沿いでなにやら突貫工事を行っている。そう、川沿いの道路の外側、つまり旧市街と道路の間に、堤防を建設しているのだ。

一部は木製でビニールをかぶせたような簡易なものだが、かなりの部分は金属板で本格的に作っている。ああ、これで我が家から車で外出することはできなくなってしまった。

気になって3時間おきくらいに川へ行くが、水位は少しずつあがっているようだ。みな外に出て、写真やビデオを撮っている。

Kozui3怖かったのは、うちの使っている市営駐車場(川沿いにあるが、若干の高さがある)のすぐ前まで水がきていたこと。この写真の右奥の明かりがついている部分が駐車場の入り口。左が川。水が入り込んできている! 

結果として水かさは予定より大幅に少なく、これをピークに水が引いたけれど、もしあと50センチ上昇したら駐車場から車を出せなくなるところだった。危ない、危ない ••••

旧市内中心のマーケット広場では、川沿いで行き場のなくなった車の駐車でいっぱい。うちの大家さんが言うには、洪水の時はマーケット広場への駐車が認められているらしい。きっとどこかに書いてあるのだろう。そんな規則、初めて知った!

ちょっと写真がないけれど、この”緊急駐車”のやり方がいかにもドイツらしくて笑えた。

白線もなく看板もなく、市の案内人も誰もいないのに、実にみな律儀に丁寧に等間隔で駐車しているのだ。しかも、どの他の車も必ず出て行けるように、お互い配慮しているから、広場の真ん中に車をおいた人でも必ず出て行けるようになっている。このドイツ人の組織力には、脱帽するしかない。

この日は金曜日で、午前中は用事があったので午後から出社しようと思っていたのだが、気になって結局行けなかったというのも困ったもんだけど 笑

オーストラリアやブラジルの洪水に比べたら全く何でもないことだけど、目の前で自分のこととして目撃するしたのは、実にリアルな体験だった。

今はすっかり回復して、船の航行も通常通りになっているよ。

よかった〜!

 

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