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金融危機でも絶対確実な投資

日曜日、朝のパンを買いに行ったついでにドイツの日曜新聞Welt am Sonntagを買った。そして、読んですごいショックを受けた

金融危機でも絶対確実な投資”について、1面以上を使って、ストーリー形式で、”本音の意見”が出ていたからだ。言っていることは本当は正論なんだけど、言っちゃあ元もこともないから、あまり表立って新聞に書かれることはない。

大衆紙であるWeltがここまで書くかと驚いたが、これは世の中のパラダイムシフトの表れかも知れない。若干極論だけど、読者も、きっと思考転換の助けになると思う

以下、要約:

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皆様、はじめまして。あなたはこれから起きる大変動から資産を守る決意をなされました。

私はこれから宝の埋蔵方法を伝授致します。それに関する、非常に困難な道と決断に関してもです。よく聞いて、その通りに静かに実行してください

第1ステップは、あなたの貯金を金(ゴールド)に換えることです。持ち金の全てを金に換えるのは、大きな冒険です。銀行に行き、防犯カメラの前で笑顔を作り、親切そうな相談員に対して正面に向かって、あなたたちとの関係を絶ちたい、ついては全ての口座預金を解約し、全ての有価証券を売却したい、すぐにお願いします、と言ってください。もう一度言います、全財産を、です

あなたたちは誘惑に駆られるでしょう。妥協したいと思うでしょう。全部の卵をひとつの籠にいれるな、ってことわざがありますよね。多面投資はリスク分散になるっていうじゃないですか。

誘惑は大きいけど抵抗しなくてはいけません。国家が長年来の借金漬けから身をふりほどこうとするときのことを考えてみてください。あなたの財産が、もともとそうであったように、単なるカラー印刷した紙切れになってしまう瞬間を。全ては精算されなくてはならないのです。あなたの資産はその前に、国家の手の届かないところに移されなくてはいけないのです。

もちろん相談員は親切ですよ。金ですか、今の時代も時代だ、それはいいですね。それならインデックス連動投資や、原材料ファンドはどうですか? どうしても物理的に金を保有したいというならば、せめて当行の貸し金庫を使ったらどうですか? 保管の手間も省けるし、頑丈で15桁の暗証番号があるから、安全性抜群ですよ、とささやくでしょう。

でも信じてください。”国家債務の精算の日”には、国は銀行から、貸し金庫の所有者の情報を出させます。役人が武装した警備員とともにあなたの家に現れて、貸し金庫まで同行し、まじめな顔で開けろと命令します。彼らは実行権を持っているし、そのために武力を使う権利もある。そして、あなたの資産は全て持っていかれてしまうでしょう。

銀行の親切な相談員とも、お別れの時間です。最後に握手を求められても、応じないでください。

全ての財産を、500ユーロ札(=約6万円、ユーロの最高金額紙幣)で受け取ってください。それを、普通の貴金属店で金に変換するのです。

貴金属店に入ったら、ごめん下さいなどと挨拶は不要です。黙って紙幣をカウンターに並べ、ほしい金貨を指すのです。声を出す必要はない。金に換えるのに、あなたが誰かを知らせる必要などない。ガソリンや卵を買うのと同じです。

これは完全に合法です。ひとつだけ問題があるのは、上限が15,000ユーロ(=180万円)と決まっていることです。これ以上の金額を取引すると、当局に届け出なくてはならない。

解決策は単純です。私たちは誠実が業者をたくさん知っている。あなたのために旅程表を作成しましょう。防弾装備の配達車であなたを銀行でお迎えし、次から次へとドイツ中の店を回ります。あなたの財産にもよりますが、だいたい3週間が目安です。

さて、あなたは当初の予想以上にドイツの見聞を深めました。どこまでも続くアウトバーンの旅とも、武術のトレーニングを受け軽装備のある随行員とも、いよいよお別れの時です。

ホテルへ戻り、あなたの鞄の中を確認してください。思った以上に小さく平たい金貨が、にぶい金色に光っています。もっと多量になるはずだって? それは幻想です。

第2ステップは、隠し場所を探すことです。ものの本では何でも簡単に見える。森の静かな場所、目立つ木、など。でもそれは嘘です。2年もたてば森の様子は変わってしまう。木も根こそぎ倒される。だから宝は永遠に見つからなくなります。

ジレンマはいつも同じこと。目立たない場所でありながら、自分には目立つ場所でなくてはならない。だから、マーク、目印、解読コード、鍵、がキーになります。

誰でもわかる場所に埋めるのは愚の骨頂です。わたしは、金属探知機を持ってそのような場所をかぎまわっている人を知っている。いい生活をしているようです。

あなたは場所の特徴をよくつかんで、いくつかの印をつけ、それをあわせると方向がわかるようにしなくてはならない。印は長期間消えないことが条件です。木よりは石がいいし、石よりは丘がいい。

3つの目印があれば、1センチ刻みで場所の特定ができるはずです。それに暗号をかけるのですが、暗号解読はデジタルではなくアナログな方法でできるようにしてください。数学でも幾何学でも大好きな詩でも、何でもクリエイティブに組み合わせてみてください。

最後は鍵ですが、鍵は隠す必要なんかない。わかりやすい場所に、例えば窓から吊り下げるなどのやりかたで結構です。

これまでのチャレンジには、どちらかと言うと知性が必要だった。これからの時代のチャレンジには、別な能力が必要とされるのです。

宝を深く埋めるためには、あなた一人ではできない。だから協力者が必要です。限定なしで信用できて肉体的にも自信がある方、息子さんか孫がいいと思います。同じ条件なら娘さんでもいい。兄弟は絶対にダメです。妻もやめた方がいい。

もし適した大人の後継者がいないなら、外部からヘルパーを得る必要があります。それにはひとつ問題があるんだけれど、それは後で話します。まずは条件にあう男を探すことで、わたしたちが探してあげてもいいです。若くて体力があって、こういう仕事を喜んでやる人はたくさんいます。問題はそこではありません。

スコップ、つるはし、バケツなどの用品はわたしたちが提供します。一番大事なのは2つの背負い籠。650オンス、20kgの金を2-3キロの距離運べるものです。途中で疲れてしまわないように、必要あらば事前にトレーニングしてください。

隠し場所に着いたら、深さ2.5メートルの穴を掘る必要があります。金属探知機は年々進歩しています。できればもっと深く。2.5メートル以下は絶対にダメです。

背負い籠にはカロリー食と飲み物を入れます。疲労してペースがにぶってはいけません。2時間作業したら、15分休んでください。ここで重要なのは、ヘルパーの男を穴底に立たせることです。彼がバケツに土を入れる、あなたがそれを引き上げる。

ヘルパーとの会話はなるべく避けてください。多くの場合、彼は(外国人なので)ドイツ語が話せないとは思いますが。相手の顔を見るのは避けてください。食事のパックを一緒に開けたり、ましてや分け合うようなことはしないでください。

10時間一緒に作業をして、気持ちが一緒にならないようにするのは大変なことです。彼が堀り、あなたが引き上げる。一定のリズムでの共同の肉体作業なのですから。

というのも、最後にあなたは彼を打ち殺さなくてはならないのです。ほとんどの人にとっては、この部分を実行するのがダントツに最も厳しい。しかもあなたは一人でやらなくてはならない。でも最後にはあなたはシャベルを振り上げ、彼が穴の底でバケツを空にし筋肉が緩んだその瞬間に、後ろ首の一定箇所に振り落とさなくてはならない。わたしたちと練習しておきましょう。

もしあなたが無意識に躊躇した結果、振り下ろし方を緩めてしまったら、きっと彼はまだ意識がある。その場合、もっともっと大変なことになるでしょう。

シャベル攻撃は正しく行えば、彼は一瞬で倒れて死にます。もちろんその後すべきことは、宝を穴に入れてから穴を再び埋めることです。2時間半をみてください。

すべて計画通りなら、東から日が昇りはじめます。あなたは有頂天になっているでしょう。あなたは、この日昇る太陽が特別な意味を持っているように感じるでしょう。そして、これまでにない自由と喜びを感じるでしょう。叫んでください。服を脱いでみて下さい。誰も見ていませんから。

でも、まだ車に戻る過程が残っています。今度はあなたは一人で工具を運ばなくてはならない。喜びを噛み締めているうちなら、きっと平気でしょう。すぐに車を発進させるのは禁物です。今は危険が高い。運転席を引いて、横になって寝てください。

すぐに、深く夢も見ないような長い眠りがやってきます。何日も眠れぬ夜が続いたのですから。8時間、10時間、いや、12時間は眠れると思います。起きた頃には夕方で暗くなっているでしょう。あなたの手足は硬くなり、痛みを覚えているでしょう。

さあ、車を発進させましょう。公道に出て、他の通行車両に混じり、表の世界に戻るのです。加速しましょう。ハンドルを両手で持ちましょう。前方から目を離さないで下さい。そして、深呼吸してください。

あなたは、自由です。

読書の秋

2006_1015book0001Aちゃんが9月末に行っちゃってからというもの、本や新聞を読むことが多くなった。はまると、夜3時過ぎまで読んでしまうこともしょっちゅう (#^.^#)

もちろん、一人で暮らしてること自体(あと1ヶ月!)は、寂しいんだけどさ。まあ、ほんとは、そういう時間も大事なんだよね・・・

ここベルリンには大きな本屋がたくさんあって、チョイスは広い。ドイツ人は基本的に本好きで、買う前に座ってゆったり読むスペースもある。

だんだん寒くなってきたので、セントラルヒーティングの入ったポカポカする家で読書ってのは、悪くないしね ((; ・・)ノ 

でもって、ドイツにそんなに長くいるとは絶対に思えない俺にとっては、正直、『ここにいる時しか読めないものを読んでおきたい!』って心理が働いてるんだ。

だから、テーマは重くなるけど、ドイツ人の深層心理がわかるもの、中でもドイツが欧州をかき乱したナチス時代のこととか、ベルリンの悲劇の歴史とかについて読みたくなる。この手の本は、ベルリンでは当然ながら世界一充実しているし、現地にいるから何より実感が沸く。

特に、何が起きたかではなくて、『なぜ』そういうことが起きたのか、指導者たちは何を実現しようとしていたのか、そして、なぜ止められない機関車のように暴走してしまったのか??、を知りたいんだよね。 

それは、ドイツと欧州の歴史の中で、すべてが極端に走った、いわば究極の瞬間だった。だからこそ、その究極心理がわかれば、今のドイツとドイツ人、それに隣国の悩みがもっと理解できるはずなんだ。

前回ブログに書いたRobert Harris 『Vatherland』は、ナチスが戦争に勝ったと仮定して1964年のベルリンを描いたフィクション。友人に聞いたら、ドイツ語にも訳されていて、有名な本みたい。

全体主義国家の中の反発組が哀れな終わり方をするっていう意味で、ジョージ・オーエルの『1984年』に似た終わり方だったけど、現実の歴史に基づいて延長線上を想定しているだけに、もっともっと生々しかった。ナチスの思想が実現すると、結果としてドイツ人自身もそれに縛られて旧共産圏の警察社会並みの監視体制になったんだろうってことが、わかったから。

昨日から読んでいる、Sebantian Haffnerの『Anmerkung zu Hitler』(ヒトラーに関する考察)は、これも70年代にオーストリアで出版されてしばらくベストセラーになった本。写真も皆無で、淡々とエッセー調に書いてあるだけなのに、すごく引きつけられる。

普通この手の本は、その人物の歴史をデータと共に並べて、成功や失敗について具体的に数字を挙げたりして語るだけでしょ。でも、この本はそういうことを一切せず、もっと本質、つまり、なぜ彼はそういう考え方をしたのか、なぜその道に走ったのか、ってことをヒトラーという人間の心情的な視点から語っている。だから、吸い込まれるんだ。

教育も、職歴も、家族も、子供も、友人も、恋らしい恋もなかったヒトラーが、自分以外誰も信用せず、政治イコール自分、自分イコールドイツの将来、って方向に信じて、わかりやすい講演力と稀な実行力で頂点へ登っていったことがわかる。

まあ、他にも面白いのがいろいろあるけど、そのうち紹介しま~す!

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